特集special

学びたい。進化したい。

会社の垣根を越えて、勉強会・イベントなどのコミュニティーが活発なWeb業界。
「もっとスキルを上げたい、同じ志を持った人と出会いたい!」
情報のインプットだけではなく、自ら勉強会を主催、講師として登壇するなど積極的にアウトプットをしている3人による、Web業界の“いま”とは?

 

勉強会に交流会。イベントは使わないと損

池宮 Web業界は勉強会や交流会をはじめ情報交換が活発だよね。そこで人脈もできるし、技術的なことも学べる。もちろんライバル会社とも付き合いはあるし同じ案件を取り合うこともある。でも知見を広げるには勉強会や交流会はとてもいい機会だよね。

平尾 僕はWebの専門学校に通っていた時代に先生に誘われて、エンジニアの勉強会に行ったのが初体験。そこではオープンソースが無料で使えたり、みんなでソフトウェアを使って意見交換をしたり…すごく楽しくて、その後も勉強会にハマって、自分でも主催するようになったんです。

池宮 利害関係なく集まって情報交換するイベントはほぼ無料開催。参加費を徴収しても、それはイベントの飲食代にあてることがほとんどで、利益を得る目的ではないんだよね。全国の各エリアに旗振り役のような人が必ずいて、最初はその人の友達の友達みたいな流れで参加したかな。前職は規模の小さい会社だったので、情報を自分から取りにいくしかなかった。平尾君は福岡ではもう有名人だけど、宮本さんは全国各地のイベントによく顏を出しているよね。

宮本 私はWeb専門学校時代からあちこちイベントに行っていました。全国各地問わず、行きたい、勉強したいことがあればどこにでも行きますよ。イベント情報はツイッターで得て、基本は休日を利用し業務外で行くスタンスですが、今はありがたいことに会社がバックアップするように動きになってきています。

池宮 そのまま自分の実務にスキルとして活かせるのがいいよね。イベントは行かないと損だと僕は思う。宮本さんはまだ入社3年目なのに、社内で不定期に勉強会も開いていて、今年8月には結構大きめのイベントも主催したよね。

宮本 イベントで得た情報は、週一の全社勉強会でフィードバックをしています。でも私が得る情報はデザイン寄りなので、もっと深く内容を知りたいという方には特別に勉強会を開いています。フットワークの軽さもありますが、原動力は自分が知りたいことを知りたい、という好奇心の一言ですね!

平尾 僕は会社の為というより、自分の好奇心を満たす為、勉強会に通い詰めて、数年前から「登壇して話してほしい」というご依頼を各イベントからいただくようになったんです。それまでは完全に業務外で趣味の範疇ですよ。それが会社から評価され始めたんですよね。当時、既にディーゼロはWeb業界で知名度があり、名刺交換すると「あ、ディーゼロさんなんですね!」と言われるようになったんです。つまり参加するだけで会社のブランディングにつながって、その上、登壇したらそれも価値になり始めました。

基本、熱いんです。やっぱり義理人情

池宮 誰でも最初は学ぶ側からスタートだけど、宮本さんはどう?

宮本 私、登壇経験はまだないんです。イベントの始まりにチョコッと5分ぐらいテーマを問わず話す「ライトニングトーク」はたまにやります。

池宮 僕は登壇の依頼が多いんだけど…実は好きじゃなくていつも逃げてる(笑)。でもイベントってヒントになることが多いんだよね。ただ喋るだけで情報が集まってくる。このご時世、〇〇が好きです!と語ると自然と情報が集まってくるでしょ。だから登壇することで、言葉は悪いかもしれないけど顔を売る、というメリットはすごくあるし、バックグラウンドにある会社がそれをサポートしてくれる。「ディーゼロから来ました」と言えば、イベントの主催者がさまざまな方を紹介してくれるし…つまり顔が売れるスピードが速いんだよね。

平尾 イベント自体が定型化していなくて、オープンな雰囲気がいいですよね。やる気があれば誰でも参加OK、登壇者もどんなに有名人でも面白そうなイベントなら自分から手を挙げているし。

池宮 もうズバリ、義理人情だよ(笑)。Web業界はクールに見られがちだけど、実はすっごく熱い。目の前にスピーカーがいて、まず名刺交換して…業界の有名さでいうと雲泥の差なんだけど、交流会で飲んだ後はみんな肩を組んでいるっていうね(笑)。下手に定型化しないところが、Web業界の面白いところだと思うよ

熱量ダイレクト、ライブ感が大事

池宮 平尾君は福岡のエンジニアコミュニティ内では名の知れた存在だよね。

平尾 僕はただ好きであらゆるコミュニティに顔を出していますが、コミュニティによってレベルも違うので、そのへんは様子を見ながら参加しています。後輩に勧めるのはゆるく勉強できるイベント。交流の輪を広げるのもポイントですね。個人的に言うとスキルアップの為に参加した数学の勉強会では8割がた何言っているかわかりませんでした(笑)。

池宮 平尾君は今、弟子を大募集中だよね!そうそう、宮本さんが主催したイベントについて聞かせて。

宮本 今年8月に第一回目のイベント『Accessibility Step Vol.1』を主催しました。会場はコワーキングスペースを借りて、告知などプロデュースはすべて自分がやりました。会社からやってみないか?と言われたわけじゃなく、全くの個人主催。県外のイベントに行くことで他社さんとつながりができて、東京のエンジニアの方からご提案をいただいたことがきっかけになりました。

平尾 これがね!超有名な東京エンジニアが集まったんですよ。もうビックリ。

宮本 5月下旬に東京のエンジニアの方と話して、やるぞと決めたのは7月の中旬。バタバタでしたが1カ月で準備、イベント告知サイト、ツイッターで告知して拡散してもらって…申し込みが定員の20名の倍、40名弱になったんです。開催前から2回目があれば行きたい、登壇したい、という意見があって驚きました。

平尾 僕も登壇しましたが、本当に良いイベントでしたよ。きっと200点満点の大成功!

宮本 参加者はオープンで、仕事がWebに関わっていなくても興味がある方が多くいらっしゃいました。参加者にはツイッターでハッシュタグをつけいっぱいつぶやいてくださいと頼みまして…。おかげさまで参加できなかった県外の人もオンラインで参加してくれて、結構盛り上がりましたよ。知識吸収においては、今はライブ中継があるし、資料もすぐ共有できて参加しなくてもわかることもある。でも、実際参加してまでも勉強したい、情報を得たいという熱量を持った方々が集まるイベントは特別ですね。情報も得られて、熱量をダイレクトに交換し合える。そして実行しようという行動力につながって…ライブ感は大事ですね。

進化するのにプライドは必要ない

池宮 結局みんなリアルでつながりたいんだよね。たくさんイベントがあるけど、かなり定員オーバーするイベントもある。それほどみんな行きたがるのはリアルで情熱を共有することに魅力を感じているんじゃないかな。

宮本 現地の残り熱、みたいなもの(笑)を会社でふりまきたいですね。

平尾 熱いですよ、ほんと。

池宮 みなさん、仕事が好きなんですねえ…。ふふふ…。

宮本 イベント第2回を年内にはしたい。反響があるとやりがいも倍増です!

池宮 僕はもう、Webってこんなことができるよという視点に最近なっているね。学ぶ立場から伝える立場にステージが変わった気がする。そうなると勉強会に参加する機会がないかも。

平尾 実は僕も今そのステージにいまして…でも自分なりにクリアしましたよ。テクニカルな分野はどんどん新しい情報やメソッドが出てきて、ここ1~2年で福岡のコミュニティが完全に世代交代の時期を迎えているんです。10年続いている古株のコミュニティがあるんですが、最近運営者が40代から全員20代に代わったんです。僕も2年ぐらい前までフロントエンドのイベントを主催していたんですが、次第にマンネリ化していって…そこでイベント数を減らしていきました。

池宮 そこで焦ることはなかったの?

平尾 焦るというよりか、もう僕の役割はいいや、終わったと思い、逆にその若い子たちのコミュニティに今、参加させていただいています。若い子たちの方が圧倒的に多く情報を持っているんですよね。ここでプライドを気にしていたら何もならない。一切かなぐり捨てて、学びに入っています。

新時代到来、ワクワクが止まらない

池宮 12月に大きなイベントがあるらしいね。

平尾 『フロントエンドカンファレンス福岡』というイベントがあります。東京から有名人を連れてきて100-200人規模の大きなイベントをやろうと若いコミュニティが企画したんですが、20代の委員長を僕らがサポートしています。僕は社長にかけあって、ディーゼロはゴールドスポンサーになっています。

宮本 コミュニティは領域がゆるくて、私はデザイナーですがフロントエンドのイベントにもよく顔を出しています。このイベントでは他社のデザイナーさんと二人でサイトなどをデザインしました。もちろん業務外なので、勤務時間外に時間を捻出して取り組みました。

池宮 こういう大きなイベントは九州、福岡では初開催だよね。

平尾 今からワクワクが止まらないですね。僕、実は人と話すのが苦手で、会社の飲み会ですら緊張するんですけど、登壇は居場所としては最高なんです。自分の好きなことだけをひたすら喋れて、同じものを好きな人に伝えられる。めちゃくちゃ楽しいですね。

池宮 オタクなんだね(笑)。

平尾 オタクは楽しいです!でも僕みたいな登壇大好き人間が増えちゃったらライバルが増えることになる。弟子は欲しいけど正直ライバルはほしくないな(笑)。職種は違うけど、宮本さんがライバルになりつつある…。

宮本 うわっ、緊張。ライバルになれるよう頑張ります!

池宮 Web業界の変化はすごいよね。例えばスマホ。これは10年前には存在していなかったもので、変化についていくにはたゆまない努力が必要なんだけど、この努力が大変!だからイベントに行ってショートカットする(笑)。

平尾 そうそう。そのためのイベント。知らないことは知っている人に聞いた方が速い。イベントに参加した次の日、今まで3時間かけていたことが3分でできちゃったことがあります。エンジニアとして悔しい思いも経験してきましたが、今ではラッキーと思っていますし、逆もあると思う。仕事が好きでしょうがないんです。

池宮 先が見えない業界だからこそ面白いし、その分大変。でも面白さが上回るんだよね。今後はブランティングに直結するやり方ならば会社主催でイベントをやってもいいかなと思う。今後もっといろんな社員が遠方でもイベントに気軽に行けるようになれればいいよね。

平尾 そうですね。時代が変わっても、若い子から学んでディーゼロならできるという体制を整えていきたいですよね。

池宮 いつでもお客様のリクエストにおいて最善の受け皿を用意しておきたい!それはうちではちょっとできませんとなるのだけは避けたいね。

一同 新しい時代に向けて頑張りましょう!